「改革と創造へのまちづくり」
2004年5月6日
小 原 茂 幸
▽現代社会において、社会資本とはそこに住む住民そのものだといわれるようになりました。
かつては道路や橋、学校などの公共施設や工場や建築物でした。
高度産業化社会においては、高い能力や技術を持った人、
あるいは幅広い社会性を身につけた人々がどれだけ住んでいるか、
そしてこれらの人々が如何にネットワークを組んでいるかが地域力となりつつあります。
▽一方、一市民である駒ヶ根市民は同時に地球市民の一人として位置付けられる時代でもあります。
「安全・安心」が事あるごとに叫ばれる中で、
自国以外のエリアで発生したテロや感染症が、
私達の日常生活にも大きく影響を与える時代です。
また、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済では、
地球環境の破壊に歯止めがかからなくなりつつあります。
さらに我が国においては90年代の負の遺産を解消できないまま、
少子高齢化、人口減少の事態を迎え、
巨額赤字財政体質を変えられないままにいます。
▽このような時代背景と政治経済環境の中で、
地域はそこに住まう住民自らが、自らの英知を結集して、自らの自助努力により、
自らの進路を決めなければならなくなりつつあります。
複雑な利害関係と、価値観の多様化の中で、
最大多数の最大幸福を目指す道を模索する新たなシステム作りが求められていると考えます。
すなわち、かつてない厳しい財政環境の下で、
地方自治体自らも、地域経営とも言うべき、経営感覚や経営能力が求められる時代になったと考えられます。
自立し活力ある地域を創造するためには、
まずは現状を認識し、自らの進むべき道を探り、方向性を定めることが肝要かと思います。
進路が決定されれば、その方向に沿った形で社会資本の整備や基盤整備を図り、
地域の個性に磨きをかけ、農林業、工業、商業、観光業などの異業種での連携を深め、
ベクトルを同一方向に向け、地域のブランド力を高めて行きたい。
さらには、地域に密着した産業の振興や新規需要の創造、
国内は元より海外をも視野に入れた他地域からの交流人口の呼びこみや、資本投資を呼びこみ、
そのための地域戦略を展開し、ひいては経済の自立を達成する事の足がかりにしたいと考えます。
▽企業経営にも言える事ですが、合議制では時間がかかり、
トップダウンでは独善に陥りやすいきらいがあります。
とはいえ、強力な指導力を持つリーダーが必要です。
掲げられた「夢と理念」のもと戦略を練り、
まずは社会の最小単位にある、家庭、隣組、自治会、区自治会を活性化させると同時に、
市民全員が何らかの、研究会、文化、スポーツ、ボランティア団体などの社会性を持つ集団に加盟する事を促進し、
その長なる方々を集合させて議論を重ねて行く仕組みを作りたい。
そして、この地から世界に通用する「人と物と情報」を発信できる、
活気のある、自立した、新たな街づくりを行っていきたいと考えます。
また近隣エリア(地域)との連携なくして地域の発展はありえず、
「南信州」全体を視野に入れた広域連携を進め、
中枢都市の一翼として牽引役を果たしながら、
広域的な課題の解決に先導的に取り組む必要性があると考えます。(S.Ohara)
駒ヶ根市改革と創造への推進市民会議
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