ホームページを開いて丸2年目に考えたこと

1998年4月5日
小 原 茂 幸



1996年3月30日に、ホームページを開設してから、丸2年が経ちました。
おかげさまで、途中でくじけずにここまで来ることができました。
年間休日50日ほどの会社人間です。
子供の行事や農事など用事が有るときに休むような生活で、
朝7時半から夕方7時頃まで会社に勤務する身には、
自宅には寝るためだけに帰ってきているようなものです。
そんな状況の中で地域情報を流すことに無理も感じています。
でも、マイペースで、背伸びをせず、できる範囲で作ってきました。

途中、何度も手を抜きました。
情報は量と質と鮮度が重要な要素ですが、なかなか思うようにはいきません。
目指したいのは、「朝日グラフ」や「LIFE」などの、
写真を主体にしたグラフ誌なのですが、
なかなか「山高くして道遠し」の状態です。
限られた時間の中で、身近な話題から掲載しています。
もっと様々な情報をお知らせしたいのですが、
写真を撮影し、文章を書き、デジタル化し、となるとなかなか進みません。
まだまだ未熟なものです。

しかし、少しづつページを増やしていった結果、
現在約230ページ、容量は約12MB、全てを見ようとすれば、
モデムの速さや時間帯にもよりますが、1時間以上はかかることでしょう。
もう少し見やすくしなければなりません。
それでも、1日平均15件から30件のアクセスが在り、
日本全国いたるところからのメールが来て、
様々な方と知り合いになることができました。
お会いしたことが無い方がほとんどですが、
少しでも、何かのお役に立てればうれしく思います。
インターネット精神はボランティア精神と思ってやっています。

さて、この2年間でインターネットの環境も随分変わりました。
様々なホームページが立ち上げられるようになりました。
個人、企業、教育機関、報道機関はもちろん、
自治体や官庁、様々な団体などにより、
あらゆる情報がネット上に掲載されるようになりました。
画面も、閲覧ソフトのバージョンアップによって、
複雑に画像が動き、音楽や動画がストレスを感じること無く、
利用することができるようになりつつあります。
様々な情報が、様々な方法で掲載されています。
検索エンジンも、登録制のものから、自動巡回するものまで、徐々に発展していきます。
英語ができれば、世界中に情報を発信し、
また世界中の情報を利用することができます。
地元の上伊那のホームページも、
かつては数える程しかなかったのですが、現在では随分増えました。
身近な場所からインターネットが、より利用しやすくなってきています。

インターネットは、
世界中のコンピュータが電話回線によって結ばれていきます。
デジタル化された情報が世界中を飛び交います。
これは丁度、人間の頭脳にニューロンなどの神経細胞が無数に広がって、
複雑に、しかし理路整然と結び合い、
見たり、聞いたり、話したりすることができるのと同じように思えます。
地球そのものが人間の脳と同じように、通信回線で無数につなげられて、
世界中のいたるところで、
見たり、聞いたり、話したりすることができるようになりつつあります。
いわばインターネットは地球を覆う巨大な神経細胞のようなものです。
電話回線が有線から無線に、そして衛星からの無線に変化を遂げていく現在、
地球上の様々な場所から情報がやり取りされるようになりつつあるのです。
インターネットを利用する主体は、
企業や公共団体等、資金力や権力を持つ者に限らず、
草の根的な一般市民が同等に利用できるものです。
したがって、どんな田舎からでも、どんなに離れた場所にいても、
あるいは、どんなに巨大で、堅牢な組織内からでも、
内部情報、内部告発などの形で、情報が噴き出しかねないものでもあります。

インターネットは元々管理するものがいない、
自由なネットワークです。
いわば、ボランティア精神で結ばれてきました。
学術的なものに、軍事的なものが結びつきました。
それを一般に開放した所で、様々な可能性が出てきました。
英語さえできれば世界中の情報が手に入ります。
また、世界中に情報を発信することもできます。
世界の片隅の人と、直接話す事が可能となり、
遭ったことの無い人と情報交換をし、
見知らぬ人とゲームをすることすらもできます。

そして今、インターネットが一般に開放されると同時に、
戯れや商業的なものも前面に出てきました。
人間の欲望には限りが有りません。
だから進歩も退廃も有るわけです。
その結果、様々な問題も出てきました。
誰にとっても有益な情報や、事実や現状の情報にあわせて、
間違った情報も、一個人の悪意から出た情報も、世界中を飛び交います。
元々がボランティアなのに金もうけの手段とするには無理も出てきます。
重要な情報は暗号化されつつあります。
そして、倫理観や価値観が国境を越えていきます。
成人、未成年者を問わず情報は流されていきます。
また、国家の壁を越えて、通貨や為替の壁すら越えて、
商品が発注されていきます。
現代国家を支える税金制度すら越えかねません。

更に、誹謗中傷はもとより、嘘か本当か、はたまたお遊びか、
あらゆる情報がデジタル化されて垂れ流されていきます。
情報が有益か無益かはそれぞれの立場で判断するべきものですが、
人間はたたかれたり、ぶたれたり、ナイフで刺されたりという、
物理的な方法で傷つけられることも在れば、
一方的な誹謗中傷、デマ、でっち上げによって傷つけられることもあります。

また、コンピュータを操る基本ソフトや閲覧ソフトの独占の問題も生じてきました。
アルファベット26文字で多くをコントロールできる英語は、
他の言語よりも優れた操作性を持っています。
どうしても、USA使用が世界標準になり易い状態です。
ここにも疑問が湧き出ています。
人類にとっての財産であるインターネットは、
ボランティア精神で結ばれているという性格からしても、
一企業や一国家だけを利するものではなく、
地球人のために、フリーソフトが望ましいものだと思われます。
インターネットによる様々な情報公開により、
地球人は地球市民となることができる可能性を持っているからです。

これからますます、便利で快適で24時間多忙な世界が広がることでしょう。
しかし、情報はあくまでも情報です。
その情報を如何に活用していくかが重要です。
「インターネットを入れれば、儲かりまっか ?」
これは、「電話をひけば儲かりまっか ?」ということに似ています。
電話で儲けるわけでは在りません。
電話を利用してどうするかです。
同様にインターネットを利用して何をどうするかが問われています。

私は相変わらず、マイペースで、情報を発信し続けるでしょう。
面白い、面白くないに関わらず、
ほのぼのとした暖ったか味の有る何かを、
誰か一人でも感じていただけることを願いながら。
そして、やがては無数に生まれるホームページの中に、
静かに埋没していくことでしょう。




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